遺産分割協議書の作成等を任せ

相続トラブルの相談の中で比較的に多いのが、たまたま自分が忙しくしていたため、それまでは良好な関係だった兄弟を信用して遺産分割協議書の作成等を任せた事により後になって取り返しのつかない結果になり、争い疎遠になってしまうという結果です。

横浜市に住む橘さん65歳男性の相続トラブル

橘さんのお父さんは以前から投資が好きで、自宅の周りにアパートやマンションを持っていました、しかし、借地だったので一部を地主に返すのと交換で自宅とその隣の土地を取得し、古くなっていた自宅とアパートを建て替える事にしました。

その時、お父様が高齢だったのもあり、一部橘さんの名義でローンを組むことになりましたが、毎月の賃料で支払いが出来る計算でした。

その後、数年たって余裕が出たのでローンは一括返済し、毎月入ってくる賃料については橘さんや子供の名義で株などを購入していました。

そして、7年ほど前にお父様が亡くなりましたが、その時たまたま仕事の事情で地方に出張していたので、相続人の一人である弟に遺産分割協議書の作成をお願いしました、不動産の事情や、生前父が口頭で言っていた相続財産についての内容も解っているのと司法書士にもお願いしていたので間違いはないだろうと思っていました。

数週間後、遺産分割協議書が届きましたので、あまり目も通さずに署名捺印して送り返しました。

その3年後に今度は母が亡くなりました、今回は出張から帰ってきており仕事も落ち着いていたので、自分で遺産分割協議書を作成しようと資料を整理していた時に驚きました、自分達の名義だった株などの資産が父の相続の時に相続財産として遺産分割協議書に記載されていた様で、法定相続分を母や弟が取得していたようなのです。

弟に問いただそうとしましたが、無視され話し合いになりませんでした、どうしても納得がいかず弁護士に相談し訴訟を起しました。

相手も弁護士をつけてきました、向こうの言い分はというと、建替えの時に兄の名義でアパートを建てたがあくまでそれは相続税対策で実際は父が支払いをしてきた、そのアパートの賃料で購入した証券は実際は父のお金から出ている訳だから父の相続財産に入れたし、それに承諾したのは自分ではないのか?との主張をされたのです。

当時を振り返ると、確かに○○証券の口座000等の表記があったのは覚えていますが、父の名義の証券会社の口座と思い込んでいたのです、良く確認すれば自分の口座だからこれは遺産分割協議書に入れるべきではないと言えたはずなのに、今となっては手遅れです。

裁判所も、協議書に実印で押印している事や弟の言う主張を採用し、結局こちらの言い分は通りませんでした。

さらに、今度は母の相続財産での争いに発展してしまったのです。

父の相続分として母が受け継いだ家や株の遺産分割をしなければいけないのです、弟は一歩も譲る気が無く法定相続分を請求してきましたが、以前の件で納得がいかなかったので無視していると、今度は調停の申し立てをしてきました。

そうなると当然母の財産は1/2ずつに相続することになり、やむを得ず不動産の分に関しては買い取りする方向で話がまとまりました、万が一、共有名義などにすると後々使用料を請求されたり、他人に売却でもされたら面倒な事になると思ったからです。

最初の遺産相続の時にきちんと確認していれば、弟も変な欲を出す事も無く、争う事も無かったのかなと後悔しています。