複数公正証書がある場合は作成日で決まる

公正証書遺言があれば自筆証書遺言より優先されると思われますがそうでもありません、どちらも遺言としての効力は同じで、作成時期によってどちらを採用するかが決まります。

栃木県在住、岩井さん59歳、男性のケース

岩井さんのお父さんは6年前に無くなりました、相続人は岩井さんと兄の2人だけでしたが、公正証書遺言があり自宅を兄に相続させるというものでした。
相続財産は、自宅以外に預貯金がありましたが、岩井さんは遺留分減殺請求をするために内容証明を送り、最終的には調停になりました。
何度かの調停を経てようやく話がまとまりました。

しかしその直後、兄側から自筆証書遺言が見つかったと、家庭裁判所から検認の呼び出しがありました、公正証書遺言があるから関係ないと高をくくっていたのですが、自筆証書遺言の方が公正証書遺言より作成日が新しいのでその内容で遺産分割をやり直すこととなりました。

内容とすれば、自宅だけでなく預貯金を含むすべての財産を兄に相続させるというものでした。

改めて預貯金を含むすべての財産に対する遺留分の請求の意思を伝えましたが、検認の日から1年以上経過しているから時効になっているおり、認めないと言って来ました。

納得がいかないので、再度調停の申し立てをしたのですが結局最初に請求した自宅に対する遺留分しか認められず、本来1/2の相続を受けれると思っていた預貯金は全く受け取ることが出来なくなりました。

後で、思ったことですが、最初の自宅に対する遺言の時点で、まさか遺留分を請求して来ないと思っていたところへ請求されたので何とか有利になろうとした兄がわざとのらりくらりと時間を引き延ばして遺留分減殺請求の時効になるのを待っていたのだと気付きました。

早めに専門家に相談しておけばよかったと思いました。