相続のトラブルが発生する前に事前に知っておきたい事は多くあります、その中でも今回は相続人のうち1人でも行方不明の人がいて連絡が取れない場合の問題です、身内が亡くなって相続が発生してからでは対応が間に合わない事もあります、そうなる前にご相談ください。

失踪宣告の申立て

長期間連絡(7年以上)が取れずにどこに居るのか解らない、住民票を取っても以前のままの住所で知り合いに聞いた住所に手紙を出しても戻ってきてしまいどうやっても連絡がつかず、生きているのか?すら解らないという場合は、配偶者や相続人にあたる利害関係人が家庭裁判所に失踪宣告の申立てをする事によって、失踪人が法律上死亡したものとみなされるので、失踪人の相続人である妻や子が代わりに法的な対応をすることが出来るようになります。
しかし、7年以上(災害等が関係する場合は1年)生死が明らかでないといけないので、7年以内に住民票の移動があればそこからカウントし直しになりますし、5~6年前から行方不明という場合では要件を欠いてしまうのです。
また、申し立てから1年位の日数はかかってしまうので、必要がある場合は早目に申し立てるべきです。

不在者財産管理人

行方不明の相続人がいて遺産分割協議が出来ないので困る、このような場合は配偶者や相続人、債権者にあたる利害関係人が家庭裁判所へ不在者財産管理人選任の処分を申立てる事で財産を管理する人間を選任し、その財産管理人が遺産分割協議に参加して進めることが出来ますが、あくまで不在者に対する相続分は法定相続分以上でなければいけないという決まりがあります。
そこで、問題になってくる事もあります、1つは申立てしてから財産管理人が決まるまでの期間が数ヵ月かかるという事です、申し立て後、数日や数週間で解決はつきません。
例えば、行方不明になった人が名義人になっている家の住宅ローンが滞り、競売にかけられた時にその家に住んでいる妻や子供が代わりに任意売却をしようとしても当事者ではないので住宅ローン債権者や不動産屋は相手にしてくれません、そうこうしている間に競売で落札されてしまうのです。
また、費用面でも問題になってきます、申立予納金が30万円~50万円ほどかかるのが一般的とされていますし、さらに、財産管理人に対する費用も発生する可能性があるのです。

相続財産管理人との違い

以前あった相談事例ですが、父親が亡くなり、2人兄弟の兄が行方不明で住民票を取得したところ、海外に転出したのが最後の記録でその後の行方が解らないのでどうしたら良いかと色々な人に話を聞き、相続財産管理人の選任をすれば良いのではと言われ家庭裁判所に申し立てたのですが、受け付けて貰えず取り下げる事になったというのです。
それもそのはず、相続人が居ない場合や不明な場合に申立するもので、ご自身が相続人として存在している以上、不在者財産管理人を選任すべきなのです、相続財産管理人は相続財産を債権者等に支払い、余った物を国庫に帰属させるのが役割なので、今回の様に遺産分割協議を早く終わらせたいという趣旨とは違ってきます。
専門家に相談すればすぐに解る事でも素人の助言ではせっかく使える法律も勘違いをして無駄になってしまう事もあります。
相続が発生しそうな状況で相続人の一人が不明な状況であれば、事前にご相談ください。