相続問題の相談を受けていると、相続人同士で明らかにおかしなやり取りが有っても兄弟や身内だから信用していると言ってこちらの話しを真に受けず、いざ事が起こってから後悔する方もいます、この場合、信じていただけにショックもかなり大きくなりますし、取り返しがつかない場合もあります。

さいたま市、Aさん、男性の場合

半年ほど前にAさんより相談があり、父が亡くなり母は既に他界しており相続人は兄と自分だけで、兄が頼んだ税理士から連絡があり、相続税が発生するがなるべく支払いを少なくなるようにしてあると一方的な割合いでの遺産分割を進めようとしているのが解りました、到底納得のいく内容では無かったので、全て二分の一にしてとは言わないがせめて64位の割合で相続出来るようにやり直して欲しいと要望したのですが話しが進まず、相続税の納付期限まであと2ヶ月あるのでそれまで静観して、期日が迫れば困って泣きついてくるのでは無いかという事でした。

その後、2ヶ月が経とうとしたときにAさんより再度相談がありました、今度は兄の弁護士から通知があり、以前とほとんど変わらない内容で遺産分割協議をしたいという話でした、それであれば財産目録を見せるように、協議書も草案を見せて欲しいと言ったのですが事前に見せることは出来ない、お会いして印鑑を押してほしいと一方的な話しでした、また、相続税の申告期限も近づいており、遅れればペナルティを課せられるので早く申告したほうが良いと脅されてしまったのです、しかし、財産も開示しないまま遺産分割協議書にサインできないので、事前に書類を見せるという約束を取りつけ、待っていましたが一向に書類を送って来ることは無く、相変わらず電話で説得してくるのみでした、さすがに心配になり税務署に確認すると申告が遅れれば無申告加算税が課せられるというのです、今まで兄を信じて待っていたのですが、逆にこの申告の迫るタイミングで遺産分割に応じさせようという魂胆だった様です。

内容に納得できないまま応じることは出来ないので、申告をしてその後ゆっくり交渉しようと思ったのですが、申告と同時に税金の納付もしなければいけないのと、申告書を作成するにも簡単では有りませんでした、何とか士業の先生に手伝って貰い申告を済ませ、税金も分納することが出来たので何とかなったのですが、相続税が発生する可能性のある場合は申告期限は待ってくれないので、それまでに遺産分割協議を終えないと大変な事になります。

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