以前相談があった事例ですが、小規模個人民事再生の住宅資金特別条項で、滞納した住宅ローンの支払いを元の状態に戻したいとの事でした、住宅ローン以外の一般債権者として、銀行ローンやカード会社、子供の奨学金があるというので奨学金なら子供が契約して借りているから親の債務にはならないという話でした。
しかし、良く調べると入学金や1年分の学費を含めた日本政策金融公庫の教育ローンだったのです、金額もかなり大きいのでその他の債務の1/2を上回る計算になってしまいました。 よく勘違いする方もいるのですが、奨学金はあくまで学生が借り入れして、卒業後に返済を始めるのがほとんどで、在学中は利息だけの支払いをするというのが多いようです。教育ローンは、借り入れした人間(ほとんどが親が名義人)が返済義務があり、返済猶予も無いので契約時に決められた通りの支払いをする必要があります。
債権者の調査
さらに債権者を調査していくと、奥さんが支払いをしている消費者金融等の債務者が申立人の夫の名義だったのです、本人は妻がやっている事で全く自分の名義という感覚が無かったので申告せずにいたのです、金額を確認すると教育ローンの額よりその他の債務の合計が1/2を上回ることとなり結果として小規模個人再生で進めることが出来ました。
では何故、教育ローンが1/2以上だとダメで、それ以外の金融機関が1/2以上だと大丈夫なのか? これは必ず大丈夫という事では無いのですが、個人民事再生の再生計画案は債権者の議決によって認可、不認可が決定するのですが、書面によって行われます、裁判所に対して、再生計画案に同意しない旨を通知しない場合は同意したとみなすようになっているのです。そして、銀行やカード会社、消費金融などの一般の債権者は書面を出さないことがほとんどなのです。 しかし、政府系の金融機関である日本政策金融公庫の教育ローンは、税金を使って運用しているので、いい加減なことが出来ず、とりあえず、不利益となる事は反対するというのが決まりのようなのです。よって、政府系金融機関が債権者の1/2の債権額になる場合や債権者数の1/2になる場合は小規模個人再生では無く、債権者の決議の必要が無い給与所得者等再生の方が良いとされいます、また、どちらでも住宅資金特別条項は使う事が可能です。
通常なら忘れていた借金が出てきて落胆するところですが、金額によっては一定金額まで圧縮される小規模個人再生の場合、少し増えたところで影響が無いので、その他の状況によっては借金が増えた方が都合が良いという事もあるようです。