無理やりでも有効?

最近、相続トラブルの相談でたまに耳にするのが、相続人の一人である子供が被相続人になりうる親に対して遺言の内容を強要し、それが有効となってしまっているのです。
特に多いのが、実家に同居しニートや引きこもりがちの人が、家の外ではおとなしいのですが、家の中ではわがままし放題で甘やかされてきたような人が、親が死んだあとの生活の不安もあり、財産を一人占めしようとするのです。
年老いた親も言われるがままの遺言を作成するのですが、言う事を聞かないと暴力をふるうケースもあるらしいのです。
また、法的に有効になるようにわざわざ公証役場まで連れて行き、公正証書遺言を作成するのですが、公証人も遺言者が目の前にいて遺言の作成をしているので、実際の意思と反していても作成する事になります。
その後、遺言者が亡くなれば、法的に有効な遺言として扱われることとなるのです。
相続人である他の兄弟たちは、遺言がある事さえ知らなかったり、その前に書いていた遺言があるものだと思っていて、いざ相続が発生した時に、新しく作成した公正証書遺言を見て驚くのと同じに、同居していた兄弟が無理やり作成させたものだと思うのです。

千葉県柏市に住むHさんの相談
Hさんの実家は横浜にあり母は数年前に亡くなり、最近までは父と離婚して戻ってきた姉の2人で住んでいました、姉は戻ってきて10年以上も仕事もせずに父に生活費の面倒を見てもらっていました。
先日、施設に入っていた父が亡くなり、葬式の時に知ったのですが遺言があり、財産は全て姉に譲るという内容だというのです、生前父は、財産は姉妹2人で半分に分けるようにと言っていたのでそんなはずはないと思ったのですが、後日、遺言書を見せられて無理やり書かされてものだと解りました。
色々なところに相談しましたが、無理やり書かされたことの証明が出来ない以上、その遺言が有効になってしまう、遺言の無効の訴えは認められないだろうとのことでした。
父の意思で書いたものであれば納得出来るのですが、絶対にそんな筈は無いので、遺留分減殺請求をして少しでも意思を尊重できるようにする事にしました。
また、住んでいた自宅も売却して清算するか持ち分を買い取るように請求し、手持ちのお金を出したくなかった姉は、最終的には売却に応じ家を引っ越すこととなりました、このまま数年後には相続した財産を使い果たしてしまうんだろうなと思いましたが、このように働かない姉にしてしまったのは両親なので仕方がないようです。